目に見えるものが真実だとは限らない

こんにちは。ウルトラデス太郎です。

今日はメダカの色覚について触れていきたいと思います。

季節変化による視界の違い

基礎生物学研究所らの研究グループによると、

メダカの色覚は季節によって変化し、夏と冬では、世界の見え方に違いがある可能性があるそうです。

めだかが夏は活発で冬になると大人しくなるのかについて、明確な理由が分かっておりませんでした。

メダカの目の色の感じ方

動物の目の細胞は、暗いところで使う細胞と明るい時に使う細胞に分かれています。人間が明るい場所で使う細胞は、細胞1つ当たり、「赤」「緑」「青」の色を感じ取れる物質を1つずつ持っています。

メダカはこの「赤」「緑」「青」を感じ取れる物質が2個以上あることに加え、「紫」を感じ取れる物質を1つ持っています。

水温上昇は、目で色を感じ取るための物質の発現を誘導するそうです。

光と色に反応するか

実験では、夏(14L10Ⅾ、26℃)冬(10L14Ⅾ、8℃)の条件を再現した水槽で飼育したメダカが用意されました。

夏条件水槽のメダカが水槽を泳ぎ回っていたのに対して、冬条件水槽のメダカは水槽底でジッとしています。

この2つの水槽の真横から光を当てたところ、夏条件のメダカは光を避ける動きをしたのに対し、冬条件のメダカは殆ど反応しなかったそうです。

冬条件のメダカを夏条件に変えると、視覚をつかさどる遺伝子の発現が上昇しました。冬の条件ではこの遺伝子の発現が著しく低下するそうです。

また、姿形をメダカそっくりに作った「ヴァーチャルメダカ」の映像を、同条件のメダカに見せる実験も行われました。

白黒映像のヴァーチャルメダカは、夏冬条件共に反応が悪かったそうです。

婚姻色に調整したヴァーチャルメダカは夏条件のメダカが強く反応し、冬条件のメダカは反応が悪かったそうです。

これより、夏と冬ではメダカの光の感じ方や世界の見え方が違う可能性が考えられました。

メダカは冬に餌を食べないため、代謝のコストを減らすためではないかと考えられています

メダカ以外の魚では、水の濁り具合によって視覚が変わる物もいるそうなので、気になった方は是非調べてみてください。

閲覧いただきありがとうございました。

参考文献

https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20170904_itbm.pdf